FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

トランプ大統領にとって自分の経済的利益にならない情報はすべて 「FAKE」? トランプ「FAKE」(フェイク/でたらめ)論、その2

 今手許にトランプ氏が作家に書かせた一冊の本TRUMP How to Get Rich(トランプ 金持ちになる方法)がある。(写真)この本の裏表紙に「There are at least five billion reasonswhy you should read this book」(この本を読むべき理由がすくなくとも50億はある)この本は2004年の発行だが、その翌年に訪れたニューヨークのジャパン・ソサイエティでそこの職員に「これからアメリカで影響力を持つ人だから・・・」と奨められて購入したものだ。だが、よくもあしくも単純な金儲け指南本だと思ったし、今度あらためて手に取ってみてある意味でトランプ氏の原点があると思った。 

トランプ3

 さて、前回の問題提起(17.3.8付本ブログ)についてさっそく元ゼミ生を含む何人かの知人から感想をいただいた。それらに共通していたのは「トランプ大統領はなぜそんなに平気でうそがつけるのでしょうか?」という疑問。

 筆者の回答は「トランプ大統領」(以下、ト氏)は短期的に自己の経済的利益にならない情報はとりあえず、すべて「うそ」だと恥じらいもなく言ってのける。彼にはそれ以外の論理と倫理はない。ただし、後にそのままではまずいとなるとしだいに、巧妙に修正を図る、つまりト氏はそのやり方で「まじめにうそをついている」=「平気で反社会倫理としてのうそがつける」人間だということで、彼にとっての「うそ(FAKE)」とは自分に批判的か役に立たないすべての情報は「うそ」になるということである。

トランプ2

(上写真:FOXを褒め、CNN攻撃をするトランプ氏、下:2017.3.20付同内容のツィッター)
Donald J. Trump @realDonaldTrump
Just heard Fake News CNN is doing polls again despite the fact that their election polls were a WAY OFF disaster. Much higher ratings at Fox

 だが大事なことは、ト氏のついている「うそ」は何もト氏に特有のことではないということだ。そのレベルの「うそ」は証券会社の少額売買顧客(一般市民)担当、保険会社の外交員、不動産業者(とくに訳ありの土地や劣悪マンションなどの販売担当者)等であれば、自分の仕事による利益を高めるためにだれでもどこでもやっている口先「販売テクニック」にすぎない。宗教の勧誘でもその手のだましはすくなくない。だからト氏のついているレベルの「うそ」など私たちの日常生活のどこにでもあるし、その程度のうそに欺されるのであれば、「世の中にはそんなにうまい話がころがっているはずはない」から欺される人のほうにも責められるべき点がないわけではない。問題は一国の国民どころか世界に影響を与える経済力と軍事力を持った国家のトップをト氏のような人物が務め、誇大表現やごまかし言動をばらまき、常態化していることで、人類にとっての「災禍」だといってもよい。

 さらに問題なのはト氏がつく「うそ」のほうをファクトチェック(事実確認)して反論するまともなメディアのほうが信頼されないアメリカ型情報流通の内実である。ト氏の発言よりもメディアの発出情報のほうが信用されないという状況はこれまでのメディアの大半がト氏のいうような方法では社会改革は出来ないどころか、さらに悪化するということを具体的、説得的にしてこなかったことにより大きな原因がある。

 メディア・ジャーナリズム論としていえば、世界的に「言論・表現の自由」「公正・中立・客観性」ということばを「経営的観点も合わさって」意図的に誤解して、明らかに間違った言動にも発言権を与えてきたこともその1つだ。メディアは社会的にプラスになる情報を主体として、ごまかし文化(cheating culture)を助長してはいけないのに、スポンサーの意向を「忖度」してそうしてこなかったという深刻な罪を犯してきたことがその背景にあることを認めなければならない。

 このことは日本のメディアと読者・視聴者との関係においてもいえる。日本でも圧倒的にスマホが普及し、それを使った交流サイト(SNS)と参照系サイトにアクセスできれば情報アクセス面において日常生活にほとんど困らない。だが、そこでは政治と経済の根幹に関わる問題が軽視されているかアクセスされず、社会活動に関する情報取得が個人の生活範囲にほぼ限定されてしまっていることだ。そのため、個人的生活圏を超え世界中に広がり繋がっている私たちの社会の全体像をつかむ道筋が抜け落ちてしまっている。

 日本の例から説明すると、安倍晋三首相の言動は無責任きわまり、国民は対外的に恥をかき、社会保全的な危険にさらされているのに、そのことに大きなうねりとしての批判があまり出ないことがある。

 政治家の大半はこの社会構造をよく知っており、実際にもそれを悪用している者が多い。彼らはその時々に自分のやりたい政治的行動を自己利益第一主義で実行する。そのために「平気でうそをつく」が、その典型例を安倍氏の言動から挙げれば、2020東京五輪、パラリンピック招致演説がある(アルゼンチン・ブエノスアイレス、IOC総会演説、2013年9月7日現地時間10:30~11:40)。

 そこで彼は「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御されています(英語The situation is under control.)。続いて、「東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません」。

 その演説後、ノルウェーのIOC委員が福島第一原発の状況について質問をし、安倍氏は「汚染水による影響は、福島第一原発の港湾内の、0.3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされています」と答えた。だが実際には 8月19日、福島第一原発の貯水タンクから、毎日300トンもの高濃度汚染水が漏洩していたことが後に発覚し、しかもこの高濃度汚染水は、1リットルあたり8000万ベクレルにも達し、合計で、これまで24兆ベクレルが漏洩した。原子力規制委員会は、この事故を国際原子力事象評価尺度(INES)の「レベル3(重大な異常事象)」に該当すると発表した(詳細は→http://iwj.co.jp/wj/open/archives/100898#idx-1)。

 繰り返すようだが、メディアがそれに有効な反撃をしていない(できないでいる?)ことだ。もっと根底的にいえば、メディアとジャーナリズムがト氏や安倍氏のような人物の嘘を見抜き、それに怒りを覚える情報購買者を作ってきていないことだ。言い換えれば、権力者たちによる巧妙な「うそ」に欺されにくく、「そうしたうそ許さない人たちを作るのがメディアの責任」という当然な情報提供活動をしてこなかったことだ。

 ト氏のような「うそ」つき人間が選挙で選ばれ、強大な国家アメリカの大統領を務め、その「うそ」を追認、拡販する幹部閣僚や側近、記者発表やリークでメディア操作するショーン・スパイサー大統領報道官(Sean Michael Spicer:White House Press Secretary )など、組織的な「情報犯罪集団」だといってよい。

 今、日本の国会とメディアは大阪の森友学園をめぐる「異常な」・・・というよりも「犯罪的な」値下げによるは国有地譲渡問題でもめている。学校法人「森友学園」の籠池泰典氏は3月23日(2017年)午後の衆院予算委員会証人喚問で、2015年11月に首相夫人付政府職員の谷査恵子氏からのファクスを手に「財務省に問い合わせ、回答を得た。現状では希望に沿うことはできないが、引き続き当方としても見守っていきたい。本件は昭恵夫人にも既に報告している」とあるとぶちあげた。昭恵氏は安倍総理夫人であり、その意を受けて財務省に問い合わせた結果報告である。社会常識ではこれを「口利き」という。そう関係が重なって、常識ではない「値引き」がされた。

安倍

(24日参院予算委員会で詭弁を弄する安倍晋三氏)

 また昭恵夫人が「安倍晋三からです・・・」といって100万円の入った封筒を籠池泰典氏に渡したことを同じ23日の証人喚問で証言すると、翌日の同じ参院予算委員会で安倍総理は恥ずかしげもなくこういった。

「密室のやりとりなど反証できない事柄を並べ立て、事実と反することが述べられたことは誠に遺憾だ」籠池氏による国有地の取得や小学校の設置認可申請の経緯を巡っては「私も、妻も、事務所も全く関与していない。そのことは明確に申しあげておきたい」。この記事を報じたある新聞の見出しは「首相、籠池氏を批判〈事実と反する〉」(日経新聞電子版)

 だいたい、世の中で困りごとがあり、自分だけでは解決できないとまず①家族や親しい友人に相談し、それがだめだと②専門家(弁護士など)の助力を求める。しかし理論的にも無理な場合に政治家に相談することはよくあることだ。もしその案件に社会的有意性があれば、政治家が役所の仕組みを説明しもっとも効果的なやり方を教えるのは公人政治家の責務だからそこまではよい。しかしそこで解決できない、つまり社会常識を逸脱したやり方でしかなんともならない時、ある人たちは反社会的集団(暴力団など)に頼む(民間では一部の金融機関が取り立てに関し、「間接的に」この手法を使っている)。相手が行政の場合はあからさまに暴力団を使うことが出来ないから、その政治家が自らの責務を逸脱して倫理に反するやり方で便宜をはかり、官僚が権力側にすり寄って出世の手段とすることになる。それが起きたのが今度の一連の森友学園問題である。

 安倍昭恵首相夫人から封筒に入った100万円の寄付を受け取ったなどと証言したことについても安倍氏は「密室のやりとりなど反証できない事柄を並べ立て、事実と反することが述べられたことは誠に遺憾だ」と籠池氏を批判した。

森友

 加えて、この安倍総理のお気に入り議員にはあまりにも幼く、論理とはとてもいえない暴論で自己防衛を謀ろうと「うそ」を連発する稲田朋美防衛大臣がいる。森友学園の代理人として裁判にまで出ているのに「直接出合ったことはない」国会答弁で断言した。後に「会ったこと、裁判弁護をしたこともまったく忘れていた」と恥ずべき弁明をした。しかし重大な局面に関わることでもあり、しかも事務所の記録をチェックすればすぐ分かることだ。つまり稲田氏は、私たちが日本の安全を委せることはできない「お調子もの」もしくは「安倍氏にえこひいきされている」だけの国民の命を預かる仕事を任せるには「適格性に欠ける者」だということだろう。

 次回はドナルド・トランプ氏や安倍晋三氏等、権力を持つ者たちが自分の勝手な解釈で人を欺すときによく使う「違法」「遵法」とメディア企業の依拠する「公正・中立・客観性」「アメリカ・ファースト」の矛盾などについてふれてみたい。(2017年3月25日記)
スポンサーサイト

第45代米国大統領ドナルド・トランプの「FAKE」(フェイク/でたらめ)論をどう読み解 くか?

 自称不動産王のドナルド・トランプ氏が第45代大統領選に立候補し、当選し、就任した。そのトランプ氏(以下、ト氏)が今、米国や日本だけではなく、旧社会主義国を含め、多くの人たちを一国の指導者としては「常軌を逸した」言動で振り回している。しかもなさけないことに、「FAKE」(フェイク/でたらめ)呼ばわりまでされて罵倒されたメディアがト氏にまともに対応出来ないでいる。

トランプ


 その状況は彼が共和党の大統領選候補者に指名され、民主党のクリントン女史などと戦った予備選挙から、代議員による本選挙、2017年1月20日の就任式、またそれ以後の言動、とりわけ大統領に就任してからも止めないツィッターによる直接発信で継続している。しかもそのツィッターにはフォロワー(受信者)が2000万人以上(恥ずかしながら筆者もその一人)になり、今や全世界でいちばん影響力のある個人メディア(規模だけでは「マスメディア」)を持ってしまった新しいタイプの政治家(政治屋?)の登場である。

 ト氏は自らが行うホワイトハウスでの記者会見でも、自分に批判的な報道機関に対し、即座にしかも面と向かって「お前が偽報道機関だ」(You are ‘Fake News’!)といってこきおろす・・・たしかにメディアに誤りもあるが、ト氏とメディアの対立の場合、たいていの題材において、ト氏のほうに「社会常識的な基準での非」がある。つまり、ト氏にとっての「事実」と「真実」はメディア、ジャーナリズムあるいは私たちの日常生活で使っている意味とは違うということだ。

 もちろん、メディア企業やジャーナリズム、ジャーナリストたちの発出する情報がすべて正しいというわけではないし、そこに「誤報」や「社会的に許しがたい誘導情報」がないわけではない。しかしト氏の場合にはファクトチェック(事実確認)をしてみればすぐ判明する程度のウソがあまりにも多く、「社会のリーダー」としては許される限度を超えたものがある。

 こうしたトランプ氏の言動をそのまま許しておいたのでは、大きくいえば「人間社会への害毒」がますます拡大する。もっとも最近のメディア上では北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)にとんでもない指導者がいるがそれはト氏に比較すればまだ「小型」。日本の総理大臣もあまり褒めたものではなく、どちらかといえば、その言論使用感覚としてはト氏に近い「ごまかし」も多い。日本語能力ひとつとってみても、いつも国会の予算委員会などでとなりに座っている麻生太郎副総理に近い(たとえば麻生氏は「踏襲」(とうしゅう)を「ふしゅう」と読んだが、安倍氏は「〇〇云々)を「〇〇でんでん」と言って平気!!」。

 横道へそれたが、我が安倍総理は一期目を不本意に終えて次を狙っていた時、「高橋是清のように、総理への復権より名財政改革者として名を残したい」といったそうだが、おそらくは歴史的には「自分が得になるかどうかですべてを判断する」トランプ氏と同じ運命をたどることになろう。いずれト氏にも安倍氏にも歴史の判断はきびしいものになるだろうが、メディアさえしっかりしておれば、人びとへの被害が極端化する前に起きることだ。

 しかし繰り返すが、一国のリーダーの誤りからは多くの国民が迷惑を受ける。メディア・情報学を学ぶ者としてはト氏や安倍氏のような人物をこのまま放置しておくことはできない。このブログ上で「トランプ大統領解析」のメディア学」を何回か書いておくことにする。(続く、2017年3月8日記)
プロフィール

twatanab

Author:twatanab
本人略歴

渡辺武達(わたなべ たけさと) Takesato Watanabe, Japan
愛知県生まれ。同志社大学教授(社会学部メディア学科)を経て、現在、同志社大学名誉教授、日本セイシェル協会理事長、京都メディア懇話会会長。国際メディア・コミュニケーション学会国際理事、国内、国外での講演・執筆活動やテレビ出演、セイシェル関連でのテレビ番組コーディネイター等をしている。

メディア関係の社会活動として、同志社大学メディア・コミュニケーション研究センター代表(2003-7)、関西テレビ番組審議会委員(1996-2010)。京都新聞報道審議会委員(2000-2015)、など。(2016年9月現在)

Takesato Watanabe: Professor Emeritus at Doshisha University, Japan, Media& Information AnalystPresident of Kyoto Council on Media Studies and PoliticalScience=CMSPS)Kyoto International Council of International Association for Media and Communication Research=IAMCR Chairman of Japan-Seychelles Friendship Association (As of September2016)

著訳書:『ジャパリッシュのすすめ(朝日新聞社、1983年)、『テレビー「やらせ」と「情報操作」』(三省堂、1995年)、『メディア・トリックの社会学』(世界思想社、1995年)、『メディアと情報は誰のものか』(潮出版社、2000年)、“A Public Betrayed”(『裏切られた大衆』(2004年、米国Regnery刊、A. Gambleと共著)、『メディアと権力』(論創社、2007年)、『メディア・アカウンタビリティと公表行為の自由』(論創社、2009年)、『自由で責任あるメディア』(論創社、2008年)、『メディアへの希望 積極的公正中立主義からの提言』(論創社、2012年)、『メディアリテラシーとデモクラシー 積極的公正中立主義の時代』(論創社、2014年)、『メディア学の現在』(共編、世界思想社、2015年)など。

1980年代からテレビ制作に関わり、ファミリークイズやドキュメンタリー番組を作る。現在はCCTV(中国中央テレビ)英語国際放送などに衛星生中継で出演。専門はメディア社会論、国際コミュニケーション論。

Statement: Takesato Watanabe (as of May 2016)

Takesato Watanabe is Professor Emeritus,Doshisha University, Japan and President of the Kyoto Council on Media Studies and Political Science. After studying Journalism and Mass Communication at Doshisha University, he taught Journalism Ethics and Mass Communication Theory at that university for 25 years. He also acted as an advisor for International Department of The Japan Society for Studies in Journalism and Mass Communication. In his media career, he has been a TV coordinator for over thirty years, a newspaper columnist and a commentator for China Central TV since 2007. He has published over 25 books, including co-authored and edited volumes; also in English, A Public Betrayed: An Inside Look at Japanese Media Atrocities and Their Warnings to the West, published in the United States.

Among his major translations from English into Japanese are A Free and Responsible Press by the Commission on Freedom of the Press (1947) and Denis McQuail’s Media Accountability and Freedom of Publication (2003).

He wishes to contribute to making IAMCR a stronger organization that will play a role in preparing an information environment for world peace through media studies and practices.

Author: Takesato Watanabe, Professor Emeritus at Doshisha University, Japan.

Media & Information Analyst

渡辺武達(メディア・情報学者)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。