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第22回京都メディア懇話会月例研究会のご案内

第22回京都メディア懇話会月例研究会のご案内

演題:「情報公開制度を駆使したネットでの調査報道に挑戦して~大津市と自治会の公金問題

開催日時:2017年9月28日(木)18:30-20:00

場所:同志社大学寒梅館6階大会議室

発題者:大井美夏子(大津WEB新報編集部)


略歴:山形県出身の社会福祉士で、現在は、滋賀県大津市に在住。2011年の東日本大震災後の国や地方自治体の対応、被災者の現状を福祉的な分野から調査し、情報発信の重要性を痛感する。防災や福祉をメインにしたホームページ制作に取り組む。大津市地域福祉計画の策定委員や、自治会に深く関わった中で、大津市の地域コミュニティや公金使途に疑問を持つ。2014年5月に大津市自治連合会長に財務関係の資料の開示を求めたが、拒否される。元新聞記者の小黒純氏(同志社大学教授)に相談し、情報公開制度を使った調査報道の指導を受ける。2015年1月、「福祉」のホームページを「調査報道」のホームページに変更。「大津WEB新報」の名称で、大津市と自治会の構造上の問題や公金使途を調査報道する。現在まで、300本以上の情報公開請求をし、450本以上の記事を発信している。

発題の概要:大津市と自治会の問題は、2000年ごろから市民オンブズマンが追及し、新聞なども何度か取り上げてきた。しかし、いったん反省を口にしながら、15年以上経過しても改善が見られない。例えば、自治連合会は多額の補助金を大津市から受け取っていながら、実績報告書に「領収書」さえ添付していなかった。毎年7月の「琵琶湖市民清掃」では、無許可業者に謝礼金を支払い、ごみの収集運搬をさせていた。大津市幹部と自治連合会幹部だけの「公金飲食」も繰り返されていた。

 なぜ、大津市では60年以上もこうした状態が延々と続いているのか。市民からは見えにくい形で、さまざまな不正が横行している。「大津WEB新報」は、こうした大津市民が知らなかった事実を、情報公開制度を使って、次々と明らかにしてきた。市民も住民監査請求を行うなど、怒りの声を再び上げた。しかし、残念ながら、新聞やテレビなどマスメディアの動きは鈍いと言わざるを得ない。

 行政と自治会の問題は大津市に限ったことではないだろう。おそらく同じような問題が全国のどこかに潜んでいるはずだ。いつかは市民の多くが、問題の深刻さに気がつくはずだ。そんな思いから、「大津WEB新報」は日々、報道を続ける。

コメンテーター:小黒純(同志社大学教授)

司会:永井るり子(立命館大学社会人学生)

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アメリカ時代の「終わりの始まり」~米国横断の旅から、その5~ (リノ/ネバダ州からヴァージニアシティ/ネバダ州を見学してエルコElko/ネバダ州1泊)

フリーウェイの出口表示板(EXITサイン)にリノの看板が見え出した。眼前に林立する高層ビル群で派手な建物の多い部分を目指して車を走らせると予約したホテルのサーカスサーカスはすぐ見つかった。ところがそのあたりは人通りが多く、一方通行や歩行者天国による交通規制で入口までなかなかたどりつけない。ようやく玄関前に車を停めると後はパーキング担当と荷物担当にそれぞれチップを渡してチェックイン。部屋へ向かうためのエスカレーターを上がると上から1階のだだっ広いギャンブル場が見渡せる。

そのど真ん中にスロットマシンに囲まれた真っ赤な車が賞品として飾られていた(写真1)。
よし、あれを獲ろうというと妻からは「1回も当てたことがないのに!」とたしなめられた。

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写真1.1回25セントでできるスロットマシン横には「最高の当たりにはこの車が!」とあり、
その横には数家族の大喜び写真があった。


渡り廊下の反対側9階の自室で待っていると10分ほどで荷物が届いた。預けたときと違う顔だったから、またチップ(というようにアメリカでは1ドル紙幣がかなり必要)。さっそく洗面所を使って手洗い洗濯を始めた。家では全自動洗濯機だし、私はしたことがない。しかし運転ばかりの不自然な動きから、この「原始的手洗い」は適切な運動になるし、ことのほか楽しい。シャワーを浴びて身体の「洗濯」もして、1時間ほど休息。いよいよ食事とギャンブル場へ。

レストラン入りは9時頃だったが、決まったサービス係がつき、注文取りだけではなく、支払いもすべてテーブルで済ますことができた。多くの御客がすでにルーレットやカードゲームのほうへ移動した後だったから、メキシコから来たという食事担当者としゃべることができた。その彼によれば、「アメリカ政治はトランプであろうと誰であろうと、東部の力を持った人たち(既得権益層/イスタブリッシュメント)とこうしたカジノホテルの経営者が儲かる仕組みになっている!政治のことは自分たちにはどうにもならない・・・」と、私たちが日本からの貧乏旅行者だと知り、小さな声で職業上の「禁句」を吐いた。

IR(カジノ付き統合型リゾート)の検証
自民党と日本維新の会が中心となってIR推進法案を国会で通し、実質的に大阪IR(カジノ付き統合型リゾートIntegrated Resort)を最初のケースとして想定し実行過程にある。そのための参考意見を国民から聴取する公聴会が現在全国で行われている。ではIRプロジェクトの実際とはどのようなものか?

一般的には「地方自治体の申請に基づきカジノの併設を認める区域を指定して設置される、国際会議場・展示施設などのMICE施設、ホテル、商業施設(ショッピングモール)、レストラン、劇場・映画館、アミューズメントパーク、スポーツ施設、温浴施設・・・などの集合施設」(Wikipedia)と説明されている。だが実際にはそうしいた施設を作った各国とも、遊園地的な部分を利用するためにそこへいく家族などあまりいない。つまりそれらがカジノのイメージを払拭させるためのカモフラージュにすぎないのは米国をはじめ、モナコ・マレーシア・韓国・香港など、どこの国でも同じで、「IRとは家族連れも楽しめることを謳ったカジノ施設」というのが実相だ。

私たちのホテルにも「家族でいっしょに楽しもう」とサーカスが併設され(本レポート前回写真5の中央テント)、宿泊部屋の行き帰りの通路には5~10ドルで買える腕時計やTシャツが並んでいた。カジノホテル付近の道路を歩行者天国にした青空マーケットも開かれていた。しかし、その中を歩く、浮浪者が哀れを誘った。

このように、ファミリー向けの娯楽/休養施設というイメージが作られているが、IRの基本収益構造はギャンブルをやらせて金を吐き出させ、その一部を税収増加につなげようというものだ。政府案についての公聴会(パブコメ 〓パブリックコメント(Public Comment、意見公募手続、意見提出制度で、公的な機関が規則あるいは命令などの類のものを制定しようとするときに、公に募集する)がこの8月17日に東京で、翌18日には大阪で行われた(2017年)。だが、ギャンブルがどのようなものなのかについては私が説明するよりも、以下の日本テレビドキュメンタリーを見ればはっきりとわかる。

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写真2. NNNドキュメント「ギャンブル依存-巣くう闇を断ち切れるか」
日本テレビ、2017年7月31日放送


ギャンブルは楽しんでいるうちはいいが、それは必ず依存症患者を生みだし、そのほとんどが「先は刑務所か?墓場か?」といわれる状態にある。つまりIRはそうした人たちを作り出す「マシーン」であり、1度はまると「脳の機能まで破壊される」から止めるのはきわめてむずかしい。それにこの日本にはパチンコやパチスロだけではなく、スポーツ選手がときおり逮捕されることなどでも知られるように「闇カジノ」まである。日本はすでに実質的なギャンブル天国なのだ。このギャンブル解禁法に賛成した自民党と日本維新の会を中心とする議員たちは世の中に不幸を作り出してうれしいのだろうか?そこから表面的には金が得られても、その金額はギャンブルによって「失われる社会的財産」よりも間違いなく小さい!

アメリカメディアの分裂
 5月29日(現地時間)のアメリカ到着初日から毎晩、朝起きがけにほぼ1時間、就寝前に2~3時間テレビを見た。普通のホテルでは40チャンネルほどが無料で見られる。これが一流ホテルだと日本のNHK(主として国際放送)なども視聴できるが今回はモーテル中心の宿泊だったから、日本関係ニュースはネットでの新聞サイトと放送ニュースの要約に頼っていた。ホテルだけではなく、路傍のチェーン食堂や喫茶店でもたいてい無料Wi-Fiが使えるからそれで不便を感じることはなかった。

 アメリカのマスメディア状況についてはすでに多くのレポートがあるから詳しくは書かない。一言で言えば、娯楽も報道もネットに浸食され、ABCやCNNなどを除けば、全国ネットは娯楽番組がほとんどで、その間にローカル情報とワシントンでの政治のオモシロ部分(人びとが関心をもつと彼らが考える情報を彼らの基準で編集したもの)ばかり。そうした番組からは米国政治の背景で動く力学などまったく理解できないから、知識階級はそれに飽きたらず、生活が苦しい労働者層は単純表現のネット情報に頼りがちになり、おまけに付近のコンビニなどには一般新聞が売っていない。いずれもまともなジャーナリズムに接触できないという点では共通している。

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写真3.CNNテレビ「政治の内幕」INSIDE POLITICSでのトランプ大統領による温暖化防止条約離脱を批判する討論番組


だが、数は少ないが日本人の私には写真3.のようなトランプ政権による地球温暖化防止条約脱退決定を厳しく批判するCNNの生中継討論番組などがおもしろかった。トランプ氏はCNNを「Fake Media(インチキ報道機関)」と名指しで非難したが、この番組ではその出演者たちの舌鋒はいずれもきびしく、日本のように「バランス」をとって賛否の論者を並べて登場させお茶を濁すようなことはしていない。マスメディアといえども、たとえば「泥棒もよい」という類の意見を多角的論点の保障として認めるような姑息なことはしていない。だから、現行状況による地球の温暖化進行を認めないトランプ氏を批判するのはメディアの社会的責任としての「公正・中立」(筆者のいう「積極的公正・中立主義」)であり、政治的意見についてもそれは同様なのだ。残念ながら、この点が日本のメディア関係者の多くには理解されていない(渡辺武達(2012)『メディアへの希望 ~積極的公正中立主義からの提言~』論創社、を参照)。

 だから、日本社会全体(アメリカの多くでも同じだが)が社会問題を考えようとしないマスメディアと、個人としてそれに同調したり反発したり、無視したり、あるいは「根拠なく自己表出だけする」という混沌状態に入り込んでしまっているネット言論が横行。結果としてそうした状況が現代の「パノブティコン」(完全監視型刑務所)的情報環境を作り、普通の人びとは「生活に忙しく」て、知識人たちは「上昇志向」という「みずからの意志」で執権層に結果として迎合していく。知的にはその中間に位置するジャーナリストたち/メディアワーカーたちの多くも「経営的観点」からそれを暗黙のうちに認め、その枠内でしかジャーナリズム活動をしなくなってきているのが日本型「自由言論の場」の実態である。

古き良き西部劇時代の金鉱と酒場の街、ヴァージニアシティ(ネバダ州)を訪ねる
 日本出発前にリノとそこから車で1時間ばかりのヴァージニアシティには行ってみたいと思っていた。ここの町民のほとんどがトランプに投票したと聞いていたからである。

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写真4.リノからヴァージニアシティへの入ったところにある案内板。その左奥に見えるのはモーテル。

写真5. 街外れには閉鎖された昔の金鉱山がそのままむき出しになっている。


町の入り口の観光案内板には「古き良き時代へようこそ」とあり、道路に沿って進むと廃屋のような家と古びたガソリンスタンド(ここにもコンビニが併設され、埃のかぶった袋入り駄菓子が棚に並んでいた)・・・それをさらに100メートルほど進むと両側に星条旗を掲揚したバーや小さな飲食店・・・それらの前には駐車した観光客の車・・・、なんだか150年ほど昔に戻ったような町並みである。中にはクラシックな高級オートバイなどに乗ってやってきたシニアの夫婦連れの一団がいた(写真7)。その一組にトランプ氏について訊くと「実におもしろい人物だけどねー」(He is interesting and at the same time, funny!)といい、傍らの夫人はにこにこしながら「政治家なんて、あんなものよ」(Politicians are like that!)と笑っていた。

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写真6. ヴァージニアシティ(ネバダ州)のメインストリート、区間は400メートル弱
写真7. 高級バイクで旅するシニア夫婦


郷に入っては郷に従えで、私たちもよさそうなレストランへ入り「カウボーイハンバーガー」を注文した。値段は8ドルほど(税込みで1000円ほど)だがこれが実際、バカでかい! だが、ランチ時間なのにイスは1割ほどしか埋まってはいない。それをいいことにヒマそうな女性従業員(30半ばのジェーンさん)とおしゃべりしながらトランプ政治について訊いた。いわく「ご覧のとおり、この街には何もなく、観光客が来なければ生活できないわ。東部の政治家なんて私たちのことなんか気にかけているはずがないし・・・だから、私の周りの人たちは今度の選挙ではトランプさんに入れたわ!でもトランプさんに期待したからではないの・・・今のままでは何も変わらないから彼にかけたわけだけど、半年たってみると詐欺にあったような気がする・・・それは東部の人たちがトランプさんの邪魔をしているからだというひとも多いわ、でも私は政治家なんてみんなそんなものだと思っているけどね」

リノには二泊したが、次の目的地である共和党の強い支持層のいるソルトレークSalt Lake(ユタ州)までは少々長すぎる距離であることから、中間のエルコElko(ネバダ州)とい小都市(人口は5万人弱)で途中泊。フリーウェイからは米国特有の巨大スーパーが見える。街中もきれいで、泊まったモーテルはインド系米国人の経営であった。

(この稿、終わり 2017年8月21日記)

アメリカ時代の「終わりの始まり」~米国横断の旅から、 その4~ (サリーナス/カリフォルニア州からリノ/ネバダ州へ)

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写真1.米国のガソリンスタンドの多くには売店が併設されている。新聞も販売されているが大都会を除けば、広告で成り立っている無料紙がほとんど。

前回に引き続き、質問への回答から始めたい。

1. 質問への回答

Q1.トランプ大統領の政治は日本から見ていても危ないし、そのトランプ氏にしか頼れない安倍首相もこの7月(2017年)からいよいよ危なくなってきています。それは主として安倍氏の人物的中味とそれをさらに劣化させる菅義偉内閣官房長官等の「お友だち」関係の問題なのに、マスメディアの多くはいまだに表面に表れた「支持率」を基本に報道しがちなのはどうかと思います。北朝鮮のミサイル(ICBM?)発射や核開発についてはアメリカではどう見られているのか、日本のメディアはちゃんと報道しているのだろうか・・・御意見をお伺いしたい。


A1.北朝鮮がミサイルを打ち上げる度に安倍総理と菅官房長官が「断固抗議する、北からの奇襲に備えたい…」などといい、テレビでは各地での防空・避難訓練の様子まで放映され、日本でも核シェルターの販売が急増していると報道されています。しかし広島長崎の原爆被害を思い起こせば、机の下や壁の後ろに隠れたとしても現代兵器の災禍から逃れられない。そんなことは1945年8月6日の広島と9日の長崎で起きた悲劇とその現場記録、とくに現場写真を1枚でも見ればすぐ分かることです。ところが米ソ冷戦時代のアメリカでも中央政府と自治体(州や都市)がいっしょになって、シェルター(酸素吸入装置付き避難地下壕など)を作ったり、販売していました。私は1995年の神戸地震の後にロサンゼルス市役所の地下に作られたシェルターに入ったことがありますが入口ドアが20センチはある鉄製で実に頑丈にできていました。とはいえ、そんなことで各攻撃からは生き残れない・・・戦争そのものを避ける努力をすることこそ大事だと思いました。

 にもかかわらず、なぜそんな「馬鹿げたこと」をしていたのか?それは主として、国民に恐怖感を植えつけ、軍事/防衛産業を儲けさせると同時に執権組織/政権への国民からの依存度を高めるための「宣伝工作」であるとがわかっ
てきました。今の日本でもそのやり方を安倍政権は利用しています。政治現象には人間の心理が深く関わっており、すべての予測はむずかしいのですが、確実にいえることはメディアの多くが伝えることには大枠としての間違いが多い、だからその枠組にしたがって議論せざるを得ない市民の多くはいつも「愚弄」されるだけか、マスメディアを信用せず、玉石混淆とはいえ、マスメディアよりもさらにFake:インチキ情報の度合いが高いネットに走らざるを得なくなっています。私たち市民サイドはそろそろそうした繰り返しの社会構造に「ノー」を突きつけるべき時代に来ている・・・ということです。
 
 たとえば核兵器/ミサイル論についてはストックホルム(スェーデン)の国際平和研究所が出している次のデータ図を見ていただきたい。

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 2017年現在の世界で、北朝鮮を含めて核保有国は9つある。しかしその所有数を見ると、アメリカとロシアが断トツで、合わせて1万4千個近い。一方で、北朝鮮は10~20とある。だが、その他の8か国は相互に疑心暗鬼があるとはいえ、直接の戦争は避けたい…という「危うい安定」関係を保っている。とすれば、北朝鮮がその「核クラブ」に入ることによって自らの安全保障を確保しようとするのは当然であろう。もちろん、「北朝鮮の核開発が自国民の困窮/犠牲によって可能になっている」といった議論には正当性があるが、国内社会の分断と下層の悲惨な生活はその他の国々の国内事情としても見られることだ。

 その構造はアジア・中東・アフリカ諸地域の難民、飢餓状況にも通じている(たとえば大量の難民の映像は国家への依存感情という形でのナショナリズムを高めている)。加えて、日本は戦争による唯一の核被害国なのに、原発から出た「核爆弾原料のプルトニウム」(7キロほどで一個の核爆弾が製造可能)を40トン近く保有し、しかも国内の米軍基地のいくつか、日本に寄航している米軍艦船には核兵器が存在するか積み込まれているから、北朝鮮から見れば、「日本は核保有国」に見えるだろうし、現実的にそうだ。

 それなのにというか、だからこそというべきか、日本はアメリカに言われて、核兵器禁止条約の加盟国にならないばかりか、その議論にさえ参加しない。だから、私たちはそのダブルスタンダードに知らないふりをするか、「滑稽」といって笑いとばすか、長崎市長のように「心からの怒りを表明」するしかない。

 アメリカの場合、トランプ氏はオバマ氏の貧民救済措置を否定する政策を採り、大統領就任以後の状況はますます悪化している。アメリカには病気になっても保険に入れないため、治療が受けられない人、固定資産税が払えない・・・等により車で寝泊まりしている人たちが今6千万人」近くいる。私たちの日本も次第にこのような荒廃にむかっているのではないのか。そのことは保育園に子どもを入れられなくなって、「日本、死ね!」と投稿した若い母親の気持ちに象徴的だといってよい。

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写真2、米国の高級リゾート地ボウルダー中心部の妊婦のホームレス(本人の許可を得て撮影)。手にした段ボールには「ホームレス、妊娠しています、お恵みください」(2017年6月7日撮影)

 さて、このところの日本の政治と政治家の道徳と倫理にはそうした結果をもたらしている背景としての「暗部」「汚なさ」がいたるところに噴出している。それらもまた日本社会の実態の一部にすぎないのだが、その根幹部分が現在日本の表の政治権力者である安倍晋三、菅義偉両氏の以下の著書を読むとすぐわかってくる。

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写真3.安倍晋三(2013)『新しい国へ - 美しい国へ 完全版』文春新書(初版『美しい国へ』は2006年刊)と、菅義偉(2012)『政治家の覚悟 - 官僚を動かせ』文藝春秋企画出版部

 現政権を牛耳るこれら二人の男、安倍晋三総理大臣と菅義偉内閣官房長官。前者は戦時中の商工大臣としての「戦犯」的人物・岸信介を祖父にもち、その岸を尊敬してやまない。それは個人の家族観としては許せるかもしれないが一国の首相としてはどうか。安倍は戦争・戦時の常識的知識(たとえばお国のために死んだという軍人/軍属の半数以上は餓死と病死であった)に乏しく、お坊ちゃん育ちで戦禍に巻き込まれた庶民の苦しさ、悲惨さなど想像だにできない苦労知らずの愚人。後者は世の中はズルでなければ生きていけないということを信条・生活哲学として、上昇指向の官僚を操り、政治を弄びながら、いつまでたってもトップにはなれないワル・・・。菅のその性向は森友学園問題、加計(かけ)学園問題等で、「記憶にありません」、「記録が残っておりません」を連発した官僚たち、なかでもその最大「功労者」の佐川宣寿(のぶひさ)理財局長を麻生副総理とも結託して「国税庁長官」に抜擢した人事が自著の副題「官僚を動かせ」の実態だから嗤わせるではないか。

 その点では安倍、菅両氏は、自分の利益になることだけが正しく、それに反するものはすべてFakeインチキ!と言って恥じないドナルド・トランプと同じタイプで、こうした人物の政治の下に入っている民衆こそいい迷惑だ。繰り返すが、これらのことは安倍と菅の著書を読めば、だれにもすぐわかることだ。

 安倍の実相がしだいに民衆に理解され、それは支持率低下にも表れているが、菅自身の「ごまかし」例をもう一つ挙げておく。それは内閣記者会主催による会見で朝日新聞記者の質問に対して起きた菅のとんでも発言である(2017年
8月8日午前の記者会見)。

「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為」と記した本があるが、それを書いた人を知っているかと質問されると「知らない」と答えた。記者がそれは「官房長官、貴方自身だ」と指摘して上記の著作をしめしながら、「政府の現状と照らし合わせて、じくじたる思いやきちんと記録に残すべきだという気持ちにはならないか」と詰問すると、菅氏は「いや、私は残していると思う」と主張した(朝日新聞記事から)。

 創造性と善意にはとぼしいが暗記と保身術に長けた官僚の多くと与党大臣のほとんどが野党からの国会質問に「記憶にない・・・」と答え、「お友だち関係」だけで動く安倍はとぼしい「脳力」で作った「作文」で「記憶」をカバーしようとするが両者ともにその内容がウソそのものだからどうしようもない。


2.本文
 サリーナスで2泊してリノReno(ネバダ州)に向かう。街を出るとしばらくは広大な農業(果樹や野菜)地帯・・・それからしばらくして山越えに・・・緑豊かで涼しくて・・・快適、レンタカーのダッジデュランゴは問題なく走ってくれた。リノRenoまでの高速道路では一箇所だけ、通行料を5ドルとられた(米国でも場所によって道路建設や補修、維持のために通行料が徴収されることがあり、「完全なフリーウェイ(無料高速道路)」ばかりではない)。

 山頂近くに雪が残り、融雪水が滲透して湧き水となってできた湖があり、ボート遊びをしている人たちがいた。その展望台でしばし雄大な景色を楽しんだ。

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写真4.リノまで1時間ほどのところにある湖を見下ろせる休憩所にて


 山を下ると突然、目の前に高いビルが林立している場所に出た。夕方であったからよけいにきらびやかに見えたかもしれないが・・アメリカ第2のカジノ都市、リノ(ネバダ州である。日本でもアメリカ現代史をすこし勉強すれば、「リノへ行け」という言葉が「簡単に離婚手続きができる」という意味であること、「売春が合法である」ことなどがすぐ出てくるが、現地を訪れると周
辺の自治体ではこのリノだけが特殊であることがすぐ分かってくる。

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写真5. 宿舎のサーカスサーカス、道路を挟んで二棟あり、相互に陸橋と自動運転電車で繋がれている。

 ここを宿泊地に選んだ理由は3つであった。
 第1は、自民党と日本維新の会の主導で計画が進行中の大阪IR(統合型リゾートIntegrated Resort)がどういうもので、現地ではいったい何が起きているのかのイメージをつかみたかったこと。
 第2は、ここはかつての西部ゴールドラッシュ時代の金の集散地で今は西部劇風の町並みだけが売りでさびれ、大統領選挙時8割以上がトランプに投票したヴァージニアシティVirginia Cityが近くにあり、そこの住民にインタビューしたかったこと、
 第3は、カジノホテルは平日の場合、設備のわりに格安で宿泊でき、レストランも24時間営業でステーキから中国料理、日本料理まであるからである(実際、キングサイズベッドが二つの大きな部屋が45ドルで泊まれたし、まずまずの食事が飲み物込みで10ドルであった、もちろん、御客はバクチで負けて支払い、ホテルはその稼ぎで帳消しに・・・御客の多い週末の宿泊料金はその3倍ほどになる!)。

 この地でいったい何が起きているかについては次回のレポートとしたい。

(この稿、終わり 2017年8月14日記)
プロフィール

twatanab

Author:twatanab
本人略歴

渡辺武達(わたなべ たけさと) Takesato Watanabe, Japan
愛知県生まれ。同志社大学教授(社会学部メディア学科)を経て、現在、同志社大学名誉教授、日本セイシェル協会理事長、京都メディア懇話会会長。国際メディア・コミュニケーション学会国際理事、国内、国外での講演・執筆活動やテレビ出演、セイシェル関連でのテレビ番組コーディネイター等をしている。

メディア関係の社会活動として、同志社大学メディア・コミュニケーション研究センター代表(2003-7)、関西テレビ番組審議会委員(1996-2010)。京都新聞報道審議会委員(2000-2015)、など。(2016年9月現在)

Takesato Watanabe: Professor Emeritus at Doshisha University, Japan, Media& Information AnalystPresident of Kyoto Council on Media Studies and PoliticalScience=CMSPS)Kyoto International Council of International Association for Media and Communication Research=IAMCR Chairman of Japan-Seychelles Friendship Association (As of September2016)

著訳書:『ジャパリッシュのすすめ(朝日新聞社、1983年)、『テレビー「やらせ」と「情報操作」』(三省堂、1995年)、『メディア・トリックの社会学』(世界思想社、1995年)、『メディアと情報は誰のものか』(潮出版社、2000年)、“A Public Betrayed”(『裏切られた大衆』(2004年、米国Regnery刊、A. Gambleと共著)、『メディアと権力』(論創社、2007年)、『メディア・アカウンタビリティと公表行為の自由』(論創社、2009年)、『自由で責任あるメディア』(論創社、2008年)、『メディアへの希望 積極的公正中立主義からの提言』(論創社、2012年)、『メディアリテラシーとデモクラシー 積極的公正中立主義の時代』(論創社、2014年)、『メディア学の現在』(共編、世界思想社、2015年)など。

1980年代からテレビ制作に関わり、ファミリークイズやドキュメンタリー番組を作る。現在はCCTV(中国中央テレビ)英語国際放送などに衛星生中継で出演。専門はメディア社会論、国際コミュニケーション論。

Statement: Takesato Watanabe (as of May 2016)

Takesato Watanabe is Professor Emeritus,Doshisha University, Japan and President of the Kyoto Council on Media Studies and Political Science. After studying Journalism and Mass Communication at Doshisha University, he taught Journalism Ethics and Mass Communication Theory at that university for 25 years. He also acted as an advisor for International Department of The Japan Society for Studies in Journalism and Mass Communication. In his media career, he has been a TV coordinator for over thirty years, a newspaper columnist and a commentator for China Central TV since 2007. He has published over 25 books, including co-authored and edited volumes; also in English, A Public Betrayed: An Inside Look at Japanese Media Atrocities and Their Warnings to the West, published in the United States.

Among his major translations from English into Japanese are A Free and Responsible Press by the Commission on Freedom of the Press (1947) and Denis McQuail’s Media Accountability and Freedom of Publication (2003).

He wishes to contribute to making IAMCR a stronger organization that will play a role in preparing an information environment for world peace through media studies and practices.

Author: Takesato Watanabe, Professor Emeritus at Doshisha University, Japan.

Media & Information Analyst

渡辺武達(メディア・情報学者)

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